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             交通事故(3) 
             
             
              えーっと、事故の影響について、でしたね。 
             
             
              めまいの権威、檜 学先生(徳島大学名誉教授 島根医科大学名誉教授)の 
              論考で以前、交通事故による身体への衝撃に関するダミーを用いた実験結果が 
              紹介されていました。 
             
             
              ここでその文献を紹介しようと探したのですが、見つかりません。。。 
              そう、あれは確か、後輩のT君に貸したきり返ってきていなかったのでした 
              (まったくあの野郎)。 
             
             
              ということで詳細な値までは確認できないのですが、要点は、追突された際の 
              衝撃力は、頚部よりも腰部の方に大きい、というものでした。その論考では 
              めまいを訴える患者に対する腰部のコルセット固定による改善例の紹介と、 
              めまいと腰部の不安定性とを関連付けた考察が行われていました。 
             
             
              もともと難治性のむち打ちは骨盤帯の問題だと考えていた私は、それを読んで、 
              強力な裏付けを得たと喜んだものでした。 
             
             
              交通事故に伴う身体的な負荷は腰の方が大きいのです。 
              衝突時の衝撃力に加え、慣性の法則や摩擦抵抗等が関係しているのでしょう。 
             
             
              棒を板に対して垂直に立てた状態で固定し、その板を水平方向に揺さぶると、 
              もっとも大きな負荷のかかる部分は棒と板との接点です。これが事故の際の 
              シートと骨盤帯との関係にあたるのではないかと思っています。 
              だから、骨盤腰椎に問題が起こると。 
             
             
              頚部の痛みと骨盤との関係は、このサイト内のあちらこちらで紹介しています。 
              頚部の痛みが骨盤へのアプローチのみで改善することも少なくありません。 
              骨盤の問題と頚部痛には、密接なつながりがあるのです。 
              臨床もそれを十分に証明してくれています。 
             
             
              それを知らずに首の痛みにばかり気を取られていると、治るものも治りません。 
              事故以来何年も身体の不調に苦しんでいる方は本当に大勢いるんです。 
             
             
              なので、不幸にも事故に遭ってしまったら、痛いところがどこであろうと全身を 
              きちんと診てもらえるところへ掛かりましょう。くれぐれも「保険の関係で首だけ 
              しか治療できません」なんて言うケチなところへ行ってはいけません。 
              むち打ちを甘く見てはいけないのです。 
             
             
              後で辛い思いをするのは、施術者でも加害者でも保険会社でもありませんよ。 
             
             
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